2月に実施した1万円券フリードリンクは色々と勉強させられました。
“金を払っているのだから飲まなきゃと損„と云わんばかりに飲む人。
そりゃそうだと思うし、見ていて可愛く思える。その中でも笑ってしまうのがほんの少しの知識を最大限引っ張り出して自分を酒の達人の様に見せるその涙ぐましいそして、空しい努力をしている人。
私は週の始めに東京にいます。私の前で一度酒を語ってごらん。
一番たくさん出た言葉は“この酒は枯れているネ„どこで聞いてきたのか。
多分メーカーの広告塔になっている様な高名な先生の試飲会に行って覚えたセリフではなかろうか。私の前で“この酒は枯れているネ„と言う前に自分の声が枯れている事に気が付く。
ブルーラベルのバーテンはおとなしい連中です。反論したくてもお客様への立場上あまり云えない。
そうすると、その客は“ブルーラベルのバーテンは一言も云えなかった„と自分が更に一級品の張子の虎になっていく事に気が付かない。その様な人が多すぎる。そしていつかとんでもない酒通に出会って大恥をかくのが目に見えている。
日本全国の自称酒のプロと思われる方、いつでもいらっしゃい。
品格のあるプロは大勢いますが酒を飲む前に先ずどこへ飲みに行っても品格がない人は必ず嫌われます。バーテンも酒もそういう人は嫌がります。
“酒が本当の味を出してくれない„この言葉信じられますか。その内に判ります。その反面、礼儀正しく飲んで下さった方はたくさんいました。
この人は又来て欲しいと思う方ばかりでした。“私は酒の事は判りませんが安くて旨い酒を下さい„こういう人は酒を大切にし、ゆっくり飲みます。
その内に何回か通うとバーテンは云います。
“立派な飲み手になりましたネ„と・・・・・・しかし“酒の事は全く知らないので教えて下さい„とい言う酒通がいます。
でも、先ずすぐバレます。なぜなら場数を踏んでいる人の仕草はどうやっても隠せない。自然体の中から出て来ます。こういう人達と飲む酒は楽しいだろうなと思いますが、双方の間にエレガントな殺気が流れる。
これぞショットバーの醍醐味でしょう。
最後に一言、中途半端な知識を振りかざすものではない。
その中でもショットバーの経営者の皆さんは特に御用心。