ブルーラベル静岡店には魔女が住むという。三人の女子バーテンダーである。
この三人全く毛色が違うが、お客様に対しては気持ち良く接し嫌な顔一つしない。
ヒマな時間は目が血走っている。お客様と接するのがこの上なく好きな女達である。三人とも気さくでチームワークは抜群である。
少し旨い酒を飲ませるといくらでも働く。(単細胞め)
しかしよく考えると、働いてやるから旨い酒を飲ませろと言っている様な気もする。(俺の方が単純かも)
お客様が酒を飲んで思わず泣き出した時に一緒になって泣いている。
酒という物に絶対の自信を持っている証拠である。
しかしいつの日か結婚して辞めてゆく日が来るかと思うと淋しくなる。
こんな大酒飲みや大飯喰いの女と結婚する奴の気が知れない。
東海地震が起きても1杯の酒は奪い合うが、1滴の水は分け合う。そんな女達を失いたくない。
私も67才になったが、彼女達のやさしい思い出を心にしまい人生を終えたいと思っている。
男では鷲山が一人頑張っている。30年の歳月が彼に何かを与えたのだろう、頼もしくなった。
もう少し早ければ良かったが、今となっては貴重な存在であることは完全な事実である。
彼は今まで知らなかった、従業員に強く接しないと自分の首が飛ぶと云う事を・・・・・・男なら男らしく生きろ。
そして死ぬまで働けばいい。